OUR FUTURES

2015年2月20日(金)、21日(土)、神奈川県川崎市の宮前区役所および川崎市役所にて、「地域課題を解決するための地理空間オープンデータを用いたマーケソン」を開催しました。

※参考:https://www.ourfutures.net/sessions/942

マーケソンでは、2014年12月20日(土)、21日(日)に行われたハッカソンで生み出された9つのアプリケーション・サービスの活用を目指し、関係するステイクホルダとアイデア創出チームのマッチングを行い、アイデアの完成度を高めるとともに、マーケソン後も活動が継続しやすくなることを目的に行われたものです。

2日感の参加者数は145名。ハッカソンでのアイデア創出チームの人だけでなく、宮前区民、自治体、企業、大学などから多様な方々が集まりました。

<9つのアプリケーション・サービス>

  1. 宮前カルチャークラブ(チーム名:宮前カルチャークラブ)
    教わりたい人、教えたい人、学び合いたい人をマッチングすることを目的としたジオフェンシング機能を搭載した地域SNSアプリ。
  2. じじばばウォッチ(チーム名:じじばばウォッチ)
    子どもと高齢者世代との交流を生み出すゲームアプリ。高齢者は“妖怪”(見守り隊)になり、子どもたちは街で出会った見守り隊のベストに付けたQRコードやNFCにアクセスすることで妖怪を集められる。ゲットした“妖怪”は図鑑画面で確認することが可能。
  3. 宮前区 すてき発見!(チーム名:渡る世間は坂ばかり)
    子どもと一緒にクイズやカルタづくりを楽しめるアプリ。子どもが街のさまざまな人や場所を取材して4択のクイズをつくり、写真とともにアップロードする。クイズポイントに近付くと回答が可能となり、正解数とクイズづくりの貢献数に応じてポイントを入手できる。
  4. 観光レシピ(チーム名:観光レシピ振興会)
    Excelで観光データを作成し、登録すると自動で観光ガイドアプリを作成できるプラットフォーム。プログラマーでなくても地域に特化した観光アプリを制作できる。
  5. ぐるっと宮前 声アプリ(チーム名:区長と仲間たち)
    宮前区の魅力を住民の声で伝える街紹介アプリ。案内ルートを進んで街をめぐり、登録されたスポットの周辺20メートル圏内に近付くと声で案内が流れる。地域住民のおすすめスポットを声で登録することも可能で、お気に入りのコースをシェアできる。
  6. 思い出坂のビンゴ(チーム名:N.W.S.I)
    地図画面やレーダーを見ながら宮前区を散策し、坂に行くと位置情報と連動して仮想の「坂カード」を入手できるアプリ。坂カードには区民から投稿された写真や思い出エピソードが掲載されており、カードを集めることでビンゴゲームも楽しめる。ビンゴが成立すると地元商店のプレゼントも入手できる。
  7. ぐるっと宮前バス(チーム名:ぐるっと宮前バス)
    バスの総合路線図や停留所、時刻表などを収録した、バスを使った移動を支援するアプリ。現在地からのバス停検索や複数ルート表示、空席情報、バス停到着逆算アラート、乗り継ぎ時の時間調整スポット案内などが可能。
  8. 公園に行こう(チーム名:公園に行こう)
    宮前区内の公園情報を提供するアプリ。地図上のマーカーを選ぶと公園にある遊具など、詳細情報を見られる。
  9. 坂部(チーム名:坂で元気)
    坂の多い宮前区をまるごとトレーニングフィールドにするアプリ。距離だけでなく鍛える部位や見たい景色を設定することによりおすすめルートを提示し、走行時は地図上にルートを表示して軌跡ログを記録できるほか、坂の勾配も調べられる。


1日目は、アイデア創出チームがこれまで作り上げてきたプロトタイプに対し、想定ユーザーやステークホルダー(運用者、支援者)を対象にデモを実施してフィードバックを収集し、2日目の発表内容を練り上げていきました。マーケソンから初めて参加する人たちは、チームに参加して一緒になってつくりあげていく「チーム助っ人」、もしくは、さまざまなチームに関わりアドバイスしていく「チーム間の旅人」として積極的に参加してもらえました。

2日目は、各チームによる成果報告および最終審査を実施しました。

マーケソンの賞を選定する、審査員は以下の方々です。
  • 西澤明 様(国土交通省国土政策局国土情報課 課長)
  • 飯島純一 様(川崎市総務局情報管理部ICT推進課 課長)
  • 豆白保雄 様(宮前区 副区長)

  • 有識者
    • 坂下哲也 様(一般財団法人日本情報経済社会推進協会  電子情報利活用研究部  部長)
    • 関治之 様(コード・フォー・ジャパン 代表)
    • 関本義秀 様(東京大学生産技術研究所 准教授)
    • 古橋大地 様(マップコンシェルジュ株式会社  代表取締役社長)
  • 協力企業
    • 大屋誠 様(IDCフロンティア 技術開発本部 R&D室 副本部長兼室長)
    • 吉澤秀登様(インクリメントP 第2事業部 ソリューションズ企画部 部長)
  • 主催者・共催者
    • 庄司昌彦(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 講師/主任研究員)
    • 野村恭彦(株式会社フューチャーセッションズ 代表取締役社長)
    • 神武直彦(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 准教授)

審査結果は以下のようになりました。

国土交通省国土政策局長賞

評価の観点

  • 地理空間オープンデータを利活用している
  • 全国各地の地域課題の解決に応用できる

思い出坂のビンゴ(チーム名:N.W.S.I)

国土交通省国土政策局国土情報課 課長の西澤氏からの講評:
「古い写真を使うというアイデアは、地域の移り変わりがわかり、新しく越してきた人にとっても昔の様子がわかるのでいいと思います」



じじばばウォッチ(チーム名:じじばばウォッチ)

国土交通省国土政策局国土情報課 課長の西澤氏からの講評:
「開発中は実現性が低いのではないかと思っていたが、だからこそ『本当にこのようなサービスが実現できれば画期的だ』という意見を聞いて、なるほどと思った。今後の重要な課題は少子高齢化なので、そこにフォーカスした点もよかった」


川崎市長賞

評価の観点

  • 川崎市におけるオープンデータの利活用に貢献している
  • 川崎市において今後新しいサービスの提供に貢献すると期待される

観光レシピ(チーム名:観光レシピ振興会)

川崎市総務局情報管理部ICT推進課 課長の飯島氏からの講評:
「観光産業との連携を考えていること、仕組みとしてはExcelからアプリが自動生成されるということで、参加する人のハードルも低くて、よく考えられていると思いました。川崎市の課題のひとつに魅力発信への取り組みが挙げられますが、このサービスは海外への発信も考えられているという点が、五輪を控えた今としてはタイムリーだと思います」


宮前区長賞

評価の観点

  • 宮前区独自の地域課題の解決に貢献している

坂部(チーム名:坂で元気)

宮前区副区長の豆白氏からの講評:
「宮前区は坂が多く、その坂をなんとか克服して魅力に変えようと各チームで色々と取り組んでいただけました。日々、宮前区を歩いて、どれくらいの高さを登ったかといったデータがわかると、そこに住む人や働く人の励みになると思うので、ぜひアプリ化してほしい」


G空間未来デザイン賞

マーケソン参加者の投票により選出。参加者は、地域課題を解決するためのソリューションとして、「ソリューションの革新性」、「ソリューションの実現可能性」、「地理空間オープンデータの有効利用」の項目について、良いと思ったところに各項目2票ずつ投票する。主催者側で集計し、合計投票数が最も多いチームに賞を授与する。

坂部(チーム名:坂で元気)



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