OUR FUTURES

未来Lifeセッション 「『住』から創る未来(第一回)」

未来Lifeセッション 「『住』から創る未来(第一回)」

未来Lifeセッション 「『住』から創る未来(第一回)」

開催終了

インフォメーション

開催日時
2016/12/14 (水)
18:00 ~ 20:30
応募締切日時
2016/12/13 (火) 09:00
会場名
NECソリューションイノベータ本社ビル
住所
東京都江東区新木場1-18-7
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定員
20 人
参加費
無料
備考

参加ご希望の方は、事前アンケートのご記入をお願いしております。入館手続きに必要な情報となりますので、ご理解のほど何卒よろしくお願いします。

尚、参加希望多数の場合は抽選とさせていただきます。 

[個人情報に関する取り扱い]

ご提供いただいた個人情報は、当社の個人情報保護方針に基づき、適切な管理に努めております。

 


主催者

NECソリューションイノベータ株式会社

経営企画部 CSV推進室 

csv-platform@nes.jp.nec.com


未来Lifeセッション 「『住』から創る未来(第一回)」

セッションの目的

20年後、私たちの暮らしがどのようになっていると嬉しいのでしょう?自分自身や、大切に思う誰かの暮らしを想像しながら、それを取り巻く世界を様々な視点で共有し、ありたい姿を考えるのが未来Lifeセッションです。

今月のテーマは「『住』から創る未来(第一回)」。そして、サブテーマを「木がある暮らし」として開催します。

今回のインスピレーショントークは、一般社団法人 森と未来 代表理事、小野なぎさ様。自然と人が共生する社会に向けての活動をご紹介いただきます

そして、さらに、株式会社桝井淳介デザインスタジオ代表 桝井淳介様から、人と庭の関わりの歴史から見えてくる’住’を庭園デザイナーの視点でご紹介いただきます。

20年後の ありたい未来を探りつつ、創造力と想像力を刺激するワークを楽しみながら、普段見えない何かを見つけ、未来Lifeへの行動のヒントをお持ち帰りください。

■20年後の未来についてオープンに語り合う場

平成28年12月14日18時、NECソリューションイノベータ(株)主催の対話&ワークショップ、未来Lifeセッション「“住”から創る未来(第一回)」が開催されました。そのレポートをお届けします。

開催場所は新木場にあるNECソリューションイノベータ本社ビルのお客様サロン。社内の方はもちろん、企業・行政・学生など、立場も年齢も業界も異なる多様な方々20数名が参加されていました。

NECソリューションイノベータは、NECグループが展開する社会ソリューション事業をICT で担う中核ソフトウェア企業として、さまざまな社会課題の解決を目指しています。近年特に力を入れているのが、幅広いステークホルダーとの“共創”に関する活動で、この未来Lifeセッションもそのひとつだそうです。

今月のテーマは「“住”から創る未来」、そしてサブテーマは「木がある暮らし」。一体どのような“住”の未来がこのセッションで描かれるのでしょうか。

■未来を描くためのルール

 
挨拶する御厨さん

はじめに、NECソリューションイノベータ 経営企画部 CSV推進室室長 御厨友美(みくりや・ともみ)さんから「未来Lifeセッション」の活動趣旨やビジョンについて説明があり、その後、本日のファシリテーターであるNECソリューションイノベータ角野幸子(かどの・さちこ)さんがワークショップを楽しむためのポイントを説明しました。


ファシリテーターの角野さん

「今日は未来思考で対話をしましょう。未来を先に想い描き、日々の生活や課題は横に置いてイメージをどんどん広げていきましょう。」(角野さん)

そして、角野さんからセッションをより深めるためのルールとゴールが示されました。

・本日のセッション 5つのルール
1.未来人である(誰も間違っていない!未来は可能性に満ちている)
2.主語は自分(私はどう思う?どうしたい?)
3.協働・共創(参加者全員で創りだす)
4.守秘義務(秘密リクエストは伝える、守る)
5.楽しむ(つながりや新しい価値は楽しい場から生まれる)

・本日の2つのゴール
1.普段と違った視点を得る
2.関心を持てるテーマを得る

セッションのポイントがしっかりと共有されたところで、いよいよワークショップが始まります。

■ペア対話によるウォーミングアップ

まずはお隣の方と二人一組になったところで、角野さんより2つほど「問い」が投げかけられます。


初めての方でも問いがあることで、対話が生まれる

問1:「“住”と聞いて何を思い浮かべましたか?」

この問いは、“住”というキーワードで参加者にとって何がフォーカスをされるのか、一人ひとり違ったキーワードが出てきそうな問いかけです。


先ほどの方とペアを変えて、対話を深めていきます

問2:「大切な人を誰かひとり思い浮かべてください。その人が20年後にどこでどんな家でどんなふうに“住”んでいてほしいですか?」

この問いには、家族やペット、また遠く離れて暮らしているご両親を思い浮かべる方も多かったのではないでしょうか。

 
参加者に渡された木のブロック

今回は世界中のいろんな木のブロックが渡されて、木のぬくもりや匂いを感じながら対話が行われました。初対面の方とも、木を感じながら対話をすることで、リラックスして和やかな雰囲気に。対話が終わる頃には、参加者がみんな“住”を自分事として考えるようになっていました。

 
イントロダクションのまとめ

■自然と人が共生する社会に向けて(インスピレーショントーク1)

今回は2名のゲストからインスピレーショントークがありました。

一人目は森林セラピストでもあり、一般社団法人 森と未来 代表理事小野なぎさ(おの・なぎさ)さん。


小野さん。森の中にいるように清々しくお話されます

「森に入ると、気持ちがいいですよね。それはなんでだろう、という想いから心理学に興味を持ち、勉強をしてきました。」(小野さん)

一般社団法人 森と未来では大きく2つの目標を掲げているそうです。
1.人が持つ豊かな感覚で自然と調和し、自然と人が共生する社会をつくる
2.人も自然の一部であることを感じて、健康な人を増やす

そして、活動の中で感じている課題をお話されます。

・森についての課題について
「日本の国土の2/3は森林、日本は世界で2位の森林率※。森林は止まることのない循環そのもの。日本の森林は成熟期に来ています。現状を見ると、国産の木が売れなくなっていることで手入れが行き届かず、きれいな森が減少しています。」(小野さん)
※国土における森林面積の割合

・森を離れてしまった人の課題について
「今日は20年後の未来の住まいの話ですが、森林に携わる人は、100年後を考えて話しをします。地球が46億年前にでき、人間の出現は500万年前。そして、人間はほとんどの間、森の中で生きてきました。それが今は、多くの人が自然から離れた暮らしをしています。特に都会の人はビルの中で生活していることが多いですね。このように人が森を離れてしまったということが、メンタルヘルスの問題にもつながっているのではと考えています。」(小野さん)


参加者が小野さんの話に引き込まれます

今のような都会での暮らしが始まったのも、人類の長い歴史からするとつい最近のこと。100年単位で森林の在り方を話す小野さんの言葉は非常に説得力があります。

これらの課題に対する一般社団法人 森と未来の3つのアプローチについて紹介がありました。

1.森から都市へのアプローチ
日本には62か所の森林セラピー基地※があります。都会で暮らす方を森に招き、森林浴を行います。森でストレッチをしたり、寝転んだり、五感を使って森を歩くことで、気持ちをリラックスさせたりセルフケアのヒントを見つけていきます。森は地域によって性質がことなるため、それぞれの地域の森に出かける意味があり、地方創生の役割も担っているそうです。
※森林セラピー(医学的な証拠に裏付けされた森林浴効果のこと)を体験できる地域のこと。 

2.都市から森へのアプローチ
企業研修を森で行う「TIME FOREST プログラム」があります。森の中で、休みの質を高めて、クリエイティブな発想を森の中で創り出し、また森で感じた同じ感覚を共有して社内コミュニケーションをよりよくすることが期待できるプログラムです。その地域に住む村の方に自然と一緒に生きる知恵、リズム、暮らしについてヒアリングをして、またそこで得た気付きを村の人にもフィードバックをすることもあるそうです。

3.森から子供へ 森から未来へ
森と水の授業を小学校で行っているそうです。例えば小学校のプールはペットボトルにすると72万本の水が必要になります。その中で泳ぐことは、すごくありがたいこと。そして森があるから水があり、水があるから森があることなど、森と水の大切さを伝えています。

「日本の森が積極的に使われると、豊かな未来を迎えることができる。日本人は森と触れ合うともっと健康になるのです」(小野さん)


小野さんのインスピレーショントークまとめ

■人と庭の関わりから“住”を考える(インスピレーショントーク2)

二人目のゲストは株式会社桝井淳介デザインスタジオ代表 桝井淳介(ますい・じゅんすけ)さん。ランドスケープや庭園のデザインをされている桝井さん。構想から制作まで8年かけた庭もあるそうです。「森を都市に持ち込んだのが庭ではないか?」という小野さんのトークからの問いかけから始まり、今回は3つのテーマで日本人と庭についてお話しいただきました。


静かに熱くお話される桝井さん

1.庭園とは、なんだろう?
平安時代から庭とその在り方について紐解いていきます。
・平安時代:公家が遊ぶ時代。浄土式。
・鎌倉時代:武士の時代。質素倹約、禅が入ってきた。庭は修行をする場所。
・室町時代:枯山水。水を使わずに砂利などで景色を表現する庭が出現。
・安土桃山時代:自分の力を誇示するための庭。茶の湯が生まれ、そこに至る道のりも庭で楽しむようになる。
・江戸時代:大名や公家が遊んだり、接待をする場所。姫は外に出られなかったので庭で外の世界を作り疑似体験をする場所へ。
・明治~現代:政治や経済の人のための庭、お金を生むための庭になる。

時代によって、庭の役割が様々に異なり、国土の狭い日本だからこそ、庭の存在がとても大きなものであることが分かります。

2.家庭とは、なんだろう?
「家+庭」となったものが、家庭。家族の営みであり、社会の最小単位である家、に庭の字がついていることも日本人にとって、庭が重要な役割であることが分かります。ここでは桝井さんが手がけた庭を紹介いただきました。

外か内か分からない気持ちのいい場所がある、庭屋一如を体現した家や、縦長い京都の町屋では、中庭を作り、光や風を取り込む仕組みを持つ家があります。暮らしの中に外部の要素(色、音、香)を取り入れ、暮らしが豊かになるデザインも紹介されました。

「限られた空間を有効に使う。限られた資源を有効に使う。日本庭園ではリサイクルが得意とされていて、古材利用は粋だとされているのです」(桝井さん)


桝井さんが手がけた庭に、参加者も興味津々

3.私が思う庭園デザインとは?
「庭は心を映し出す装置。身体は数値で可視化できますが、心は可視化できない分、庭園に映る気分で、その日の心の状態を知ることができます。庭と向き合う時、それは心を見ている時なのです。」(桝井さん)
さらにその心を映し出す仕掛けとして、庭の設計をする時、①視線 ②心拍数(吊り橋、階段)③行動抑制(飛び石で歩きにくくする等) ④明暗(圧迫感の後の解放感、陰影をつける)⑤聴音の5つのコントロールを意識してデザインをされるとのこと。そんな仕掛けに身をゆだねながら、庭に愛着を持って心と向き合う時間があると、素敵な余白がある毎日を送ることができそうです。


桝井さんのインスピレーショントークまとめ①

桝井さんのインスピレーショントークまとめ②

■チームを作ってプロトタイピング

お二人のインスピレーショントークにぐっと引き込まれた後は、参加者の想いを形にしていきます。


どんな想いがあるのか一人ずつ共有することから始まる

関心があるキーワードでチームを作り、4~5人一組のチームが5つできました。
チームの中で、想いを共有し、「未来新聞」を作っていきます。


20分ほどの短時間でアウトプット

どんな20年後を描くか、タイトルやキャッチコピーは何がいいか対話を重ねます。


どんなタイトルだったら、聞いた人の想いが引き出されるだろうか?

時間になり、5つのチームがいよいよ発表します!

■5チームから未来新聞を発表!

1.「自然に還る!心のストレッチ」チーム


未来新聞


イラストがとても目を引くアウトプットのチーム

インスピレーショントークから「癒し」「気持ち」「セラピー」「感動」というキーワードのテーマで集まったグループ。家から庭、そして定期的に森へ行くことで心が狭い空間から広い空間へと伸び伸びストレッチができ、また家に帰っても心が気持ちよい状態でいられる心の習慣を作ろうというもの。自然と共生し、森も人も豊かになり、20年後は里山復活!を思い描くチーム。

2.「××ザップ林業」チーム

 
未来新聞


木にタックルで、会場内では笑いが

森林と林業と生活を近づけないかということで、森の中で木に登ったり、タックルしたり、ICTで生活空間をよりよくしたいという想いも込めて。自分たちの家を木でつながるコミュニティにしたいと思い描くチーム。

3.「自然と共に志禅に生きる」チーム


未来新聞 


センスのあるタイトルで注目を集めます

人が自然と共に生き、メンタル疾患の人も薬に頼らなくても自然の中で遊ぶことで治るような健やかな暮らしを思い描いていました。

また森林に関しても、木材をいかに有効に活かせるかを一緒に共生させます。20年後は国産の木材使用率を50%にあげたいという目標も。

4.「感じろ!生み出せ」チーム


未来新聞 


手を取り助け合いながら発表を行っていたチーム

人は安らぐ時、精神が研ぎ澄まされると同時に五感も研ぎ澄まされる。鳥のさえずり、温かさを感じる時にイマジネーションの「想像」、またクリエーションの「創造」が生まれる。
感覚主導の時代になるように、いろんな素材を持ち込んで「触れてみる」ワークショップを企画したい。住まいの中で気持ちがいいのは縁側で庭を見てボーっとするような時、そんなふうに感覚と向き合う時間があるといいのではないか、という提案でした。

5.「原点回帰~Re人間!~」チーム


未来新聞


2時間とは思えないほどのアウトプット

自然を介して人と人との関係がよくなり、人と自然のつながりを戻したい。自然の中に入って、もう一度人間らしさを回復させよう。20年後には健康を求めて森に行き、母性本能などもよりよく調和されているような世界になっている。ICT業界で働く人にとっては、なおさら人が人であるために自然が求められる世界になっている。


しっかりと想いの共有と対話ができ、あっという間に時間が経ちました

実に様々な視点からの“住”の未来が描かれました。この場で約2時間前に出会った方たちが共に創り出したとは思えないような対話が重ねられ、そこからアイディアが生まれました。

とても印象に残っているのは、ゲスト2名のインスピレーショントークでの想いが参加者に着火されたためか、心にフォーカスしたアウトプットが多かったことです。自分の住む家は、自分の心を映し出していると聞いたことがありますが、まさにこの場にいた多くの方が「心の平安」「心の健康」が大切だと日常の中で感じていたのかもしれません。

次回は、木とICTを掛け合わせてどんな“住”が生まれるかをテーマにした開催を検討しているそうです。

未来Lifeセッション「“住”から創る未来(第二回)」開催を楽しみにしています。


セッション全体のまとめ

(文:大藤直子、撮影:筒井健作、グラフィックファシリテーター:高柳謙)