OUR FUTURES

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プロジェクト 「 Future Sessions Event Stories

から投稿されました。

変革期を乗り越えて成長する組織
〜未来へ向けたミッション・ビジョン・バリューの活かし方とは?〜


近年、組織開発や企業経営のテーマでよく耳にする「ミッション・ビジョン・バリュー(以下、MVVと省略)」という概念があります。日本語に訳すと、「企業理念・将来像・行動指針」などとも呼ばれ、その会社が目指す理想や、大切にしたい価値観を言語化したものですね。

社員の間で共通の価値観や理想像を持つことが、組織のチームワークを高め、会社の生産性を高めることから、大企業だけでなく、中小企業やベンチャー組織でも重要視されています。

しかし、MVVという言葉だけが一人歩きをして、つくることが目的化したケースや、つくっても社員への浸透に注力ができずに効果を発揮しないケースも見られます。

今回、フューチャーセッションズとサイボウズは「変革期を乗り越えて成長する組織〜未来へ向けたミッション・ビジョン・バリューの活かし方とは?〜」というテーマでイベントを開催しました。

いま話題のMVVの意義や必要とされる背景、そして浸透方法までを、4名のゲストを招いて、改めて問い直すセッションを行いました。





なぜ、いまMVVをつくるのか? 


はじめに、様々な企業のビジョン策定を支援しているフューチャーセッションズ有福さんより、MVVが必要とされるようになった時代背景と、変革期における組織の問題点について、社会における外的環境の観点からプレゼンテーションがされました。

 

有福さんは、企業がMVVを策定するべき理由として、組織が陥る根本的な問題を例にこう説明します。


有福さん)いまなぜ、MVVが求められるのか?について、簡単にお話をすると、組織が持続的な成長を志向するあまり、売上などの「目標」を重視し、そもそも企業が存在している「目的」を忘れてしまうという問題があるからです。
有福さん)市場環境が目まぐるしく変わり、数年先の未来すら読めないVUCA時代においては、目先の目標を追うことにこだわり過ぎると変化に対応できないリスクをも負うことになります。

 


こうした時代に求められるMVVの傾向として、有福さんは以下の3点を挙げました。

  1. ビジョンよりもバリューが重要視される傾向:
    時代によって変化するビジョンをメインにした戦略では素早く変化に対応できない。普遍性の高いミッションとバリューを全面に打ち出し、そこに共感する人材を採用し、体現できる人材を育成する。
  2. 社員の共感を得られ、行動につながる内容を設定:
    トップダウンで上層部の考えを浸透させるというやり方は通用しない。より自分たちの活動に近い言葉で社員全体の考えを代表し、具体的な行動につながりやすい内容が増えている。
  3. “人”を重視する傾向:
    自社のブランドや商品、サービスにフォーカスした内容ではなく、社員や顧客など“人”が基軸となった内容で、自分ごととして捉えられるものにする。


有福さん)変化の激しい時代に、なにを拠り所として企業活動を行えば良いか?それが、モノやサービスよりも長寿命である概念(MVV)を関わる人たちの共通の目的に再設定し、組織活動を推進していくことが重要です。
有福さん)つまり、VUCA時代においては外的変化の影響を受けやすい目標ではなく、変わることのない企業の存在理由、MVVを軸にすることで、変化に柔軟に対応できるようになる、ということです。




何のために、MVVをつくるのか?


次に、國學院大學特任助教、合同会社あまね舎代表で組織開発をアカデミックな研究と現場実践の両面で取り組んでいる齊藤光弘さんより、組織開発の観点から、MVVを策定することの効果についてプレゼンテーションが行われました。


 

MVVは、策定することによる効果を疑問視する声も多く聞かれますが、齊藤さんは、MVVを組織に根付かせるメリットとして、以下の4点を挙げました。

  1. 仕事や組織へのコミットメント向上:
    MVVを設定することで、「なぜこの仕事が必要なのか」日々向き合う仕事の意義や、自分が所属している組織への共感を持つことができ、仕事へのコミットメントを高めることができる。
  2. コミュニケーションの円滑性アップ:
    MVVを策定する過程で、組織内で深いレベルまで価値観が共有されるため、ミスコミュニケーションが減り、円滑性が上がる。
  3. 現場の柔軟性:
    日々現場での最適な手法が求められる不安定な時代において、MVVの共有によって現場での柔軟な施策が取りやすくなる。
  4. 勝ち/価値パターンの共有アップ:
    競合他社と差別化を図り、顧客に価値を届ける上で、「自分たちはどういった観点を大切にして、強みを活かしながらビジネスを進めていくのか?がを共有できていると、ベクトルを合わせて仕事を進めやすくなる。


また、齊藤さんは実際にMVV策定によって組織が活性化した例として、JALの事例を紹介しました。

齊藤さん)JALは2010年に経営破綻して以来、組織の抜本的な立て直しを図り、MVVの再設定を行います。その際にMVVをお題目で終わらせずに組織に浸透させるため、全社員の行動規範として「JALフィロソフィ」を策定しました。これは、年4回、2時間の研修を全社員及びパートナー企業の方々に対して行うという徹底ぶりでその浸透を図っています。その結果、業績も改善に向かい、奇跡の再建は成し遂げられたと言います。

最後に、MVVがJAL全体に浸透していることを表す例として、齊藤さんのこんな体験談が紹介されました。

齊藤さん)北海道の実家への帰省時に8歳の娘とJALに乗ったのですが、CAさんになりたいという夢をiPadに書いてCAさんに見せたところ、そのCAさんが娘に「一緒に働ける日を楽しみにしています!」と、わざわざ手紙に書いてきてくれました。“一人ひとりがJAL”というフィロソフィはまさに社員一人ひとりにまで浸透しているなと実感しました。




どのように、ゼロからMVVをつくるのか?


続いて、ゼロからMVVの策定を行ったハースト婦人画報社の池原さんからリアルな体験談がシェアされました。


池原さん)私は、前職がグローバル企業で「MVVがあることが当たり前」だったのですが、この会社に入ってみて、MVVが無いことが最初の発見でした。
池原さん)私なりに「なぜ、無いのか?」を考えてみたところ、、、ハースト婦人画報社は、『婦人画報』や『ELLE』といった女性誌を数多く手掛けてきた、歴史のある出版社なのですが、それぞれのメディアが強い個性と共に、ステートメントを持っている状態だったので、会社としては「メディアごとのキャラを立たせたい」という目的から、会社に強いメッセージを持たなくても良いのでは無いか?と考えて、つくる必要性が無かったのではないか、と考えました。


では、そんなハースト婦人画報社は、なぜ、MVVをつくることになったのでしょうか?池原さんは、このように話されました。

池原さん)私たち出版業界では、企業の自社メディア化、紙メディアからクロスメディア化の移行、SNSによる個人の情報発信などにより、これまで紙メディアが中心だった弊社も『メディアカンパニー』と呼び方を変えて活動するような環境変化が起きています。
池原さん)その潮流に合わせて、メディアごとの発信だけでなく、社名を冠としたビジネスや情報発信もスタートし始めたことがきっかけです。更に、日本の社長が交代したタイミングというのももう1つの要因かもしれません。


MVVをつくるきっかけがわかったところで、メイキングムービーと共に、どのようにつくったのか?を紹介してくれました。

池原さん)私たちがどのようにMVVをつくったか?については、ビデオを見て頂いた方がわかりやすいと思いますので、まずは映像を御覧ください。


池原さん)私たちはボトムアップ型で進めながら、現場の社員だけでなくトップマネジメント層も招き入れて、熱い対話を色々なパターンで何度も行い、アンケートなども用いて全員が参加できる状態をつくって進めました。


何度も何度も対話を繰り返して、キーワードを紡いでいく過程の中で、思いがけない気付きも多かったと池原さんはお話します。

池原さん)ミッション・ビジョンの策定過程でどんなことに気づいたか?ですが、改めて社員一人ひとりが、いま行っている仕事について熱い想いを抱いていることがわかりました。
池原さん)また、MVVの必要性についても社内に確認を取ったのですが、「必要だ!」という反応が返ってきたことも印象的でした。
池原さん)あと、私たちは「メディアブランドごとの強みや使命」という価値観強く社員は持っていると思っていたのですが、会社としての強みや使命感に関しても、同じような言葉が多くの社員から発せられ、これまで言語化されていませんでしたが、共通認識を持っていることに気づくことができました。


最後に、今後のステップをお話してくれました。

池原さん)最後に、MVVをつくって良かった、一段落となりかけるのですが、ここから浸透や活用するというところが今後の課題と考えています。
池原さん)今後の進め方は、大きく3ステップで捉えていて、「知る−意識する−指針となる」という形で展開していきたいと思います。


 



どのように、MVVを浸透させていくのか?


池原さんに続いて、浸透フェーズの話も含めて、サイボウズのなかむらさんからお話を頂きました。


まずは、サイボウズの今のミッションについてです。

なかむらさん)サイボウズは、1997年にソフトウェア会社として創業して、今年で20年、社員数800名くらいの会社です。
なかむらさん)2019のサイボウズのミッションは、『チームワーク溢れる「社会」をつくる』で、そのために『チームワーク溢れる「会社」をつくる』ということを掲げています。
なかむらさん)サイボウズでは、売上や利益よりも「利用者数」にこだわっており、世界中のチームワークを高めるための活動を広げています。グループウェアがチームワークを向上させていくという考え方になります。


そして、過去のミッションから、今に向けてどう変わっていたのかを紹介してくれました。

なかむらさん)昔のサイボウズでは、「情報サービスを通して世界の豊かな社会生活の実現に貢献する」と掲げていました。笑
なかむらさん)ではなぜ、今に向けて変わったか、というと、大きな要因は「離職率」です。
なかむらさん)2005年に同社は28%という高い離職率で、持続的な成長が困難な危機に直面します。
なかむらさん)そこで、組織を抜本的に改革するために、自分たちが大切にしたいものが何かということを問い、MVVの再設定にも着手しました。


続いて、企業理念について、サイボウズ独特の考え方もお話をしてくれました。

なかむらさん)サイボウズでは、企業理念”2019”という表現をします。企業理念は、達成をした時や自分たちの考え方が変わった時に変えようという意志のもと、このような表現の仕方をしています。
なかむらさん)今のミッションは、自分たちの存在意義は何か?を時間をかけて考えて設定をして、その後、6年をかけて社外へ公開していきました。


更に、チームワークと、チームワークを発揮に必要な5つを紹介してくれました。

なかむらさん)チームワークという言葉を掲げたからには、それを説明できるようになる必要がありますので様々な基礎研究を調べたりしました。その結果、『理想を達成するために、役割分担をして、協働すること』がチームワークの定義だと、社内共通の理解となりしました。

◆チームワークを発揮するために必要な5つ

  1. 理想をつくる
  2. 役割分担をする
  3. コミュニケーションをする
  4. 情報を共有する
  5. モチベーション(やる気)をあげる
なかむらさん)この5つの中で重要なのは、理想をつくることで、この理想が無いと「そんな目標ありましたっけ?」といったことを招くことがあるので、そこはキチンと押さえていきたいですね。


最後に、会社の変革に必要な3つを共有してくれました。

なかむらさん)会社の変革に必要なことは、制度・ツール・風土の3つだと思うのですが、『風土に合った制度』や『風土に合ったツール』という形で、風土を軸に変革を進めていくことが重要だと思っています。
なかむらさん)また、これらの変革を進める上では、「オープンな議論」と「場づくり」を大事にしているのが、私たちサイボウズの特長だと思います。


二社に共通していたのは、「MVVの策定だけでは意味がなく、いかに浸透させるかが重要」ということ。そして、MVV浸透のためには、「策定段階から社員を巻き込むこと」と、「採用や評価基準にMVVをきちんと組み込めるか」が浸透のカギになると指摘をしてくれました。




後半は、ゲスト4名が前に出て、質疑応答の時間になりました。


芝池さん)ここまでの話をまとめると、MVVについて、「どのように、ストーリーの共感を促すか」、「どのように、普段の活動につなげるのか」というお話が多く出ていましたね。
芝池さん)さて、ここからは皆さんからの質問を受け付けたいと思います。どなたかご質問はありますか。


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質問①:
参加者A)ビジョン浸透のコンサルティングをしているのですが、大きな企業では社長まで参加してつくったり、浸透させたりすることは難しいと考えています。そういった背景の場合は、どんな人にどのように働きかけたら、浸透しやすくなるのでしょうか。


池原さん)どんな人に働きかけたら良いかという質問でしたが、ビジョンの浸透には、やはりトップのコミットメントの影響が大きいと思います。他の誰かが信じている前に、トップが本気でこの状態をつくりたいと信じているから、浸透ができるのだと思いますね。
池原さん)ハースト婦人画報社のケースだと、ビジョンをつくる過程で、各部門や様々なレイヤーや部門の社員が混ざってディスカッションをし、全社を巻き込んで策定をしました。浸透については、これからですが、今後は各部門にアンバサダーなどを生み出して、浸透を促していきたいですね。


なかむらさん)もし、トップを巻き込めないのであれば、本気でつくるのは諦めた方が良いかもしれませんね。(笑)
なかむらさん)サイボウズの場合は、離職が多いという会社の状況に対して、社長が本気で悩んだ上でミッションである「チームワークあふれる社会を創る」という言葉をつくったので、そのコミットメントが重要だと思いますね。余談ですが、その過程の議事録は、今でも読むと感動するような内容が書かれていますよ。


齊藤さん)ミッション・ビジョン・バリューに関する先行研究では、トップのインパクト以上にミドルマネジメントのコミットメントの方が成果へ影響を与えるといった知見がありますね。
齊藤さん)バリューが言葉だけでなくて、現場の行動に体現されているかを実践するのがミドルなので、影響が大きいわけです。
齊藤さん)ですので、もし全社での活動が難しいのであれば、適切な単位を選んで実施していくことも必要だと思います。


なかむらさん)少し質問から外れてしまうかもしれませんが、ミッション・ビジョン・バリューについて、ミドルで共感ができなかった人は、辞めていきましたね。そして、それはサイボウズでは仕方のないことだと捉えています。
なかむらさん)トップの言葉を新入社員がいきなり理解することは難しいので、ミドルマネジメントが翻訳して浸透させていくことはとても重要で、この層がしっかりと共感できていないと上手く浸透しないですね。


池原さん)ハースト婦人画報社では、つくるプロセスで工夫をしたのですが、様々な部署の部門長に関わってもらい、時間をかけて対話をしたので「どうやってビジョンがつくられたのか」を現場に具体的に語ることができますね。


齊藤さん)カルチャーフィットという点についてですが、業績が停滞している時期はしっかりと採用基準を整えているのですが、業績拡大期では採用基準を緩めることがあります。
齊藤さん)そうすると、カルチャーに必ずしも合わない方が入社される可能性が高まります。能力やスキルは後からでも何とかなるのですが、後からカルチャーが合うようになるということは、難しいですね。


トップのコミットメントを得ること、ミドルマネジメントがMVVへ共感して、現場に対して具体的な行動で示せること、この2つが重要になり、これらを得るためには、『つくる過程で、多くの人に参加してもらうこと』と『採用基準をしっかり持って、カルチャーに合う人を採用すること』が重要なことがわかりました。


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質問②:
参加者B)私は小さな会社を経営しているのですが、一人ひとりが大きな影響を持って働いています。先程に、カルチャーフィットの話が挙がりましたが、本当に合わない人が社内にいた時に、どうしたら良いでしょうか?


なかむらさん)まず、サイボウズでは、採用基準をずらさないので、中途も新卒も時間をかけています。1人に対して、4〜5回を複数の部門の人が見る形ですね。
なかむらさん)そして、社内に合わない人がいたら、直属のマネージャーからミッション・ビジョンに即した行動と「違うよ」とフィードバックをしています。サイボウズでは、公明正大を大事にしているので、全社員がバリューに合っているかを見ていて、相互にフィードバックができる状態を整えていますね。
なかむらさん)最近では、お客様や株主にまで、MVV浸透させようとしていて、、、そこまで自分たちが造りたい世界を浸透させようと努力をしていますね。


有福さん)質問と少しズレるかもしれませんが、この話は、「会社の想い(同じ価値観)から生まれる活動を大事にするのか」と「一人ひとりの想い(異なる価値観)から生まれる活動を大事にするのか」という話に似ていると感じました。
有福さん)経営スタイルを「求心力型」と「遠心力型」の2つに分けたとすると、求心力型の経営は、ミッション・ビジョン・バリューを1つに定義して浸透させて、同じ価値観で活動しようということだと考えています。
有福さん)もう1つの遠心力型の経営は、会社を社会の縮図のように捉えて、一人ひとりが異なる価値観を持って社会に対して寄与する人材を育てていこうという文脈で、活動レベルではバラバラでも社会に価値を出すためのコラボレーションをするような活動になるのではないかと考えています。


会社の文化に合わない人がいた際には、「適切なフィードバックを行うこと」もあれば、「合わない人の価値観を認めて、その人らしい新しい活動をつくる」といったことが重要なことがわかりましたね。


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質問③:

参加者C)少し手法論のようなことなのですが、どのように、色々な人の意見を集約されたのでしょうか?


なかむらさん)サイボウズでは、「オンライン」と「オフライン」の両方で、全社員の声を拾える形で進めました。
なかむらさん)「オフライン」の方は、部門ごとに10~20名ごとくらいの単位で、会議でディスカッションするような形ですね。「オンライン」の方は、意見を出せるスペースを用意して、決定するプロセスも公開していました。
なかむらさん)こういった、オンライン・オフラインを繰り返しながら、意見を集約して決めていきましたね。


池原さん)私たちの場合は、最初はとにかくインプットを多く集めて、そのインプットをフューチャーセッションズと一緒に集約しました。
池原さん)その後は、選抜メンバーと経営陣と共に、グループを言葉にしていきましたね。その際、まとめている様子は、常にオープンになっていて、どんな人でも意見が言える状態をつくりました。
池原さん)最終段階のコピーライティングは選抜を設けて少数で煮詰め、最終案となる言葉を紡ぎました。

池原さん)最後に、その言葉を経営陣に見てもらい、最終形に至ったという進め方になります。


齊藤さん)私が過去に関わった事例だと、アプリシエイティブ・インクワイアリーという技法を用いて、過去の自分たちのビジネスの最高の経験などを思い出してもらいました。

齊藤さん)そのプロセスを踏まえ、全社を巻き込んでワールド・カフェを通じて対話を行いました。
齊藤さん)最後に、マネジメント層が、対話から出てきたアウトプットを基に、最終形をつくったという流れですね。
齊藤さん)対話の技法も一つの選択だと思いますが、検討プロセスで重要なのは、ボトムアップ・とトップダウンのバランスだと思っています。
齊藤さん)できれば、全ての人に参加して欲しいと思いますが、合意や同意にも時間がかかるので、最後はある程度の権限や責任を持っている人が決めるという意思決定のプロセスを検討当初に決めておくことが重要ですね。



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質問④:
参加者C)もう1つ質問があるのですが、MVVをつくろうと掛け声をかけた際に、それに対する反対派もいると思いますが、そういった方々へはどのように対処されたのでしょうか?


なかむらさん)私たちの場合は、そもそも、MVVつくろうと始まったわけではなかったですね。
なかむらさん)背景としては、4人に1人が辞めてしまうような状況で、「会社としてどうやって行くか」を検討していました。
なかむらさん)そんな中で、2年間に渡って、毎月、社長・副社長と社員15名を混ぜた1泊2日の合宿を行いました。
なかむらさん)この合宿は、スキル開発ではなく、もやもやを吐き出す合宿として開催していました。4人に1人が辞めてしまう会社だったので、だいたい仲が悪いわけなのですが、車座で泥臭い対話を行ったわけです。
なかむらさん)あれが無ければ、今のサイボウズはなかったと思うような合宿ですが、それをきっかけにミッション・ビジョン・バリューの重要性を各社員が認識していくことになりました。
池原さん)ハースト婦人画報社の場合は、機運が乗ったので、反対派の声は特に聞こえませんでした。笑
池原さん)ただ、これから浸透させていくのは、様々な取り組みを通じてチャレンジをしていくことが必要ではないかと思っています。


全体として、4つの質問でしたが、文脈の作り方やコミュニケーションを取るスタンスなども含めて、示唆に富んだお話が聞けました。




最後は、ファシリテーターから、『変革期を乗り越えて成長する組織とは、〇〇である。』という枠組みでゲストから一言を頂く形になりました。


齊藤さん)『変革期を乗り越えて成長する組織とは、企業と個人のミッション・ビジョン・バリューの重なりが大きい組織である。』
有福さん)『変革期を乗り越えて成長する組織とは、一人ひとりが組織を通じてどう社会に役立つかを考え抜けている組織である。』
池原さん)『変革期を乗り越えて成長する組織とは、やりがいや社会的意義がある組織である。』
なかむらさん)『変革期を乗り越えて成長する組織とは、理想へ向けて痛みを恐れずに実行できる組織である。』


変革期は、当然のようにあることだと思いますが、ミッション・ビジョン・バリューも社会やその時のメンバーに応じて変わり続けるので、その度に対話し続けることが重要なのだと思いました。

 


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イベント概要:

日程:2019/09/25(水) 

時間:19:00〜21:00(18:30受付開始)

場所:サイボウズ株式会社

   東京日本橋タワー 中央区日本橋2丁目7−1 27階

主催:サイボウズチームワーク総研・フューチャーセッションズ

主題:変革期を乗り越えて成長する組織

   〜未来へ向けたミッション・ビジョン・バリューの活かし方とは?〜

URL:https://20190925cybozufuturesessions.peatix.com/

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文:最上 元樹・杉村 彩子

写真:加藤 遼也


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