OUR FUTURES

2017年10月から5回に渡り株式会社フューチャーセッションズがご支援させていただいた、京都市職員向けに行われた「市民協働ファシリテーター」養成研修。1月17日の最終回に、門川京都市長から受講者を「市民協働ファシリテーター」に任命する任命式が行われました。

この研修は、市職員が市民の意見を引き出すために必要な考え方、場の設定方法、ファシリテーションスキルなどを学び、市民との「伝え合う力」を強化することによって、市民ニーズを的確に把握した政策や事業形成を行う能力を身に付けることを目的として行われました。

「市民協働ファシリテーター」は市民協働の推進にとどまらず、市民との対話を通して行政自身の変化も促すファシリテーターです。研修を通して身に付けた能力を発揮し、市民の意見を引き出す場(市民対話ワークショップ)を創出できるようになることを到達目標としています。京都市に関わるあらゆるステークホルダーと行政の間に入り、市民協働を促す重要な役割を担っていきます。


研修で身に付けた「3つの力」

研修講師を務めた弊社代表取締役社長の野村からは、今回の研修で身に付けた「三つの力」について次のように語りました。

一つ目は「問いを立てる力」。自分の所属部門では、自らが専門家になり過ぎてしまっているために、いつも同じ問いで動かしてしまいがちです。しかし、他の部署の仕事を異なる視点で見ると、別の問いかけをしたほうが市民からはわかりやすいと気づくことがあります。そうした問いの立て方をすることで、市民との関係が変わる場合もあり、自分の部門の仕事も異なる視点でとらえ直すことができます。今後、新しいテーマが来るたびにこの力を仕事の中で活かして欲しいです。

二つ目は「ファシリテーションする力」。これから昇級してリーダーになっていくにしたがい、自分の部門の中で対話をして意見を引き出す力が必要になります。ファシリテーションをする力とはまさにそのスキルです。

そして三つ目は「32人の同志の力」。研修を共にした同志の力をお互いに活かしあい、市役所という単位での目標から、日本や世界という単位での複雑な問題に対してもぜひ取り組んで欲しいです。この研修を、2年3年と続けていけば100人ぐらいの仲間ができ、一緒に問いを立て直していくことができます。仲間とともに京都、日本を変える。そして日本が変わればアジアが変わる。そういったリーダーシップをとるスタートラインに立ったと思っていただければと思います。この活動をぜひ、日本、世界に拡げていけるような素晴らしいプロジェクトにしていただきたいです。



志高く京都の街を変えていく

門川市長から受講者一人一人に対して任命証の授与が行われた後、訓示がありました。

皆さんは日々、市役所という人と人とのつながりの中で仕事をしています。そのつながりの中でいかに自分を改革し、それぞれの役割を果たしていけるかどうか。それによってこの研修が有意義であったかどうかが決まります。

これから仕事をしていく際に、必ず「あの仕事をやったから」、「あの人と出会ったから」という自分の転機があります。後から振り返った時に、この市民協働ファシリテーター研修と、ファシリテーターに任命されたことが自分の転機となり、そこから仕事の仕方、人との接し方、構想力、そしてファシリテーターとしての能力が発揮されるようになったと感じてもらいたい。

皆さん一人一人が自分の潜在能力を活かし、志高く京都の街を変えていくという高い意識を持って取り組んで欲しい。そのためにも、この研修をきっかけとして、ファシリテーターとしての専門性を高めていってください。

過去と相手は変えられませんが、自分と未来は変えられます。自己変革をした人だけが、相手に感動され、そして未来を拓いていくことができます。一人一人が学んだことを、徹底して検証し、あらゆることを変えていく。そうした時に自己変革することができ、自分自身が変わり、結果として職場が変わっていくことにつながります。



最後に、受講生を代表して地球温暖化対策室の岡本賢吾さんからコメントがありました。

今回の研修で、市民と行政が一体となって未来のまちづくりをしていくためのワークショップの運営の仕方、事前準備や自己の振り返りの重要性を学ぶことができました。何より、市民とともに一緒に京都市を盛り上げていこうと思っている同志に出会えたことが、行政マンとして大きな宝になったと感じています。これから対話の場をつくって経験を積みながら、市民の声を市政につなげるように貢献していきたいです。


今回「市民協働ファシリテーター」に任命された32人は、これから様々な部署からあげられる市民協働テーマの推進をリードしていくことになります。従来の考え方にとらわれず、多様な市民の意見を引き出しながら、京都の街を変えていくファシリテーターとなることが期待されています。


<お問い合わせ先>
株式会社フューチャーセッションズ
https://www.futuresessions.com/contact


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