OUR FUTURES

このストーリーは

プロジェクト 「 藤崎町 未来志向の地域デザインプロジェクト2019

から投稿されました。

ふじ発祥の地の藤崎町から、青森県および日本を元気にするために

行政も市民もNPOも他の市区町村も参加できるオープンな

未来志向の地域デザインプロジェクトがスタート!!


青森県南津軽郡藤崎町。この津軽平野のほぼ中央にある町も、日本国内の小規模市町村と同様に「どのように持続可能な町にしていくか」、という問題を抱えています。

結果がすぐに表れるキャラクター開発など、従来の短期的な成果を求めるような施策とは異なる手法として、地域住民が共創活動を通じてモノ・コトを起こすためのノウハウを身につけて、その上で地域住民自らがこの町の未来について考え、実践できるようにしていきたい。という深い想いから、このプロジェクトは立ち上がりました。

そして、その想いからプロジェクトは形になり、2019年9月27日に青森県藤崎町にて「藤崎町 未来志向の地域デザインプロジェクト」として、オープニングセッションが開催されました。

本レポートでは、オープニングセッションで行われた「プロジェクトの紹介」と「ファシリテーションの体験ワークショップ」についてレポートを行います。


◆オープニングセッション ショートムービー:





ふじさき地域デザインLABOメンバーの紹介


まずは、このプロジェクトを中心となって進める事務局の「ふじさき地域デザインLABO」の4名のメンバー紹介が行われました。

初めに、自治体から参加している、藤崎町 経営戦略課の佐藤一敏主査さんと黒崎遥佳さんの自己紹介。

そして、地域共創アドバイザーとして、プロジェクト全体のプロデュースとファシリテーションの技術を伝える株式会社フューチャーセッションズのイノベーションプロデューサー 最上元樹さんとファシリテーター 相内洋輔さんの自己紹介がありました。

このメンバーが事務局として、ふじさき地域デザインLABOの活動を支えていきます。




手上げルールを対話で体験


事務局のメンバー紹介が終わったところで、プロジェクトの説明かな、と思いましたが、、、そこはさすが『オープニングセッション』。説明会やセミナーとは違う進行で、最初は「手上げルール」という対話時間を守るための簡単な対話が始まりました。


最上さん)今から、あるテーマについて皆さん同士でお話をしてもらいますが、ファシリテーターが手を挙げるのを見かけたら、一緒に手を挙げて頂き、お話をストップしてください。全員が手を挙げて静かになったら、次のワークに進むという時間管理のルールです。では、練習をしてみるので、2、3人のグループになってください。

最初のお題は、「グループになった人のファッションを褒める」。初めて出会った相手のファッションの良いところを見つけて褒めます。ちょっと、ドキドキしますね。2回目のお題は、「自己紹介と藤崎町の好きなところを30秒で伝える」。これは、時間を意識しながら短くまとめて話をする練習でした。

参加者の皆さんが短い対話をして、少し和やかな雰囲気になったところで、最上さんからプロジェクトを進める上でのスタンスについて、お話がありました。

最上さん)このプロジェクトでは、「地域で自分たちが新しい価値をつくっていく」ということを大きな文脈としてやりたいと思っています。誰かにやらされたり、誰かにとって良いことを実現することもダイジですが、自分が大好きなことをやり続けるほうが面白いし、賛同してくれる人も増えると思います。なので「私が本当にやりたいこと」を考えて、「一緒に楽しめるメンバー」と共にプロジェクトを進めていきましょう。



平田町長から「プロジェクトに対する町としての意気込み」


藤崎町の平田町長からは、今回のプロジェクトに対する町としての意気込みをお話いただきました。


 

平田町長)「藤崎町の将来がどうあるべきか」について、参加者一人ひとりが考えながら未来へ向かっていく、非常に大事なセッションになると思っています。その中で刺激を受けた人は起業してもいい。そういう人がどんどん出て町が活性化し、自分の職をしっかりやってもらう。そして、余裕ができたら地域のことを考えて、町づくりに参画する。楽しい中で刺激を受けて、自分の将来、地域の将来につなげていって欲しいと思います。セッションが活発になり、未来につながっていくことを祈念します。




藤崎町 経営戦略課 佐藤主査から「プロジェクトの目的等の説明」


続いて、藤崎町経営戦略課の佐藤主査に、プロジェクトについてご説明をいただきました。 


なぜ、藤崎町にこのプロジェクトが必要なのか?

佐藤さん)これから人口減少、高齢化など先行きが見えない変化の時代がやってきます。AI、IoTなどのテクノロジーが発展して生活にどこまで浸透していくのかといった課題もあります。環境問題や子どもの貧困など、様々な社会課題が複雑に入り組んでいて、対処するのに行政だけの視点では難しくなってくることが予想されます。
佐藤さん)そこで、住民、企業、NPO、行政など、多様な立場にいて様々な得意分野を持ち合わせている人がタッグを組み、組織を超えたチームプレーができれば、新しいパワーになるのではないかということを期待しています。
佐藤さん)まずは「藤崎町のこういった未来をつくりたい」ということを皆さんと共有しながら、「何ができるのか、何を解決すればその未来がつくれるのか」を一緒に考えながらつくっていくということが求められる時代だと感じています。




どんな方向性でプロジェクトを進めていくのか?

佐藤さん)私たちの住む地域を持続させていくためには、地域の基盤構築が重要です。まずは、地域に住む人たちがつながっているということ。そして、次の時代を担っていく若者を育てて行くこと。子どもたちが住み続けたくなる町づくりをするために、帰ってきて継いでくれるような、価値のある活動をつくっていくことも大事です。
佐藤さん)このプロジェクトでは、「藤崎町をより良くしたい」ということに共感してもらえる方々と協力しながら、私たち自身が楽しんで取り組むことを前提に、藤崎町に笑顔を生む活動につなげていきます。
佐藤さん)そして、町内外問わず、藤崎町への想いを持った人を招き入れながら、ネットワークを構築していきます。参加する人たちがワクワクできるように、規模の大小を問わず面白い町をつくるための実践を積み重ねていきます。
佐藤さん)この活動を通じて、藤崎町に一つでも多くの笑顔を生み出すこと、また行ってみようというような誘客ができるように、地域をより良くする将来を見据えた基盤構築となる環境づくりを進めていきたいと考えています。




どんなゴールを目指すのか?

佐藤さん)プロジェクトでは、課題を設定してセッションを行い、解決策を探っていきます。楽しみながら企画を行う実行力のあるチームが生まれ、町の暮らしやすさや誘客ができる状態をつくっていくことを目指します。




どんなステップでプロジェクトを進めるのか?

佐藤さん)2019度は、共創を促す手法“フューチャーセッション”を学び、実践します。新しい物事をつくっていくような、未来を見据えたセッションを行います。セッションをメンバーが自主運営できるようになり、持続的にやっていけるようにフューチャーセッションの手法を身に付けます。
佐藤さん)2020年度は実践です。自主開催したセッションを通じて何をやるかを考えて実践を積み上げていきます。そうすることで、持続的に楽しみながらやれるようになります。




ふじさき地域デザインLABO 共創アドバイザー 最上さんから「プロジェクトの説明」


次に、プロデューサーの最上さんから、プロジェクトについての説明があり、「フューチャーセッションとは何か」、「プロジェクトを推進するイノベーション・ファシリテーターの役割」などを解説して頂きました。



フューチャーセッションとは何か?

最上さん)フューチャーセッションを日本語にすると、「未来会議」とか「未来対話」ですね。簡単に言えば、未来について皆で話していくことをダイジにした場のことです。
最上さん)一般的なワークショップは、主にアイデアを出すことに注力しますが、フューチャーセッションは、関係性を大切にします。「良いアイデア」を創出することはもちろん大切なことですが、それよりも大切なのはアイデアの中身よりも「関係性」であり、そのアイデアをやり抜くメンバーが集まることです。アイデアの実現へ向けて、関係性を作りながら、本当に面白いものをつくろう、というチームができることが重要だと思っています。

最上さん)チームをつくる時には「新たな関係性」という視点も必要です。藤崎町のことを考えるのが、藤崎の人たちだけで良いのでしょうか?藤崎のことを面白いと感じてくれるのは、藤崎の外の人たちかもしれません。問題の当事者だけではなく、今まで直接の関係者ではなかった人たちも招き入れることで、今までとは少し変わった活動が生まれると考えています。


新たな仲間を招き入れて、チームをつくり、今までに無かった形をつくる。フューチャーセッションの場では、こういった流れを大事にしているようです。




新たな仲間を招き入れる問い

最上さん)例えば、「介護」の問題を取り上げるとします。身内が介護状態にならないと、なかなか自分ごとで捉えるのは難しいですが、「徘徊」といった当事者以外も関わってくる問題について考える場合、これまで介護について考えていなかった人たちも招き入れたいですよね。
最上さん)そこで、「介護環境をどうしたら楽にできるか?」、という当事者目線ではなく、「どうしたら介護状態になっても暮らしやすい町をつくることができるか?」という視座の高い問いをつくります。自分が介護状態になった時に暮らしやすい町をつくる、というように問題の認識の範囲を変えていくことで新しい参加者も入って来やすい場になります。
最上さん)新しい参加者が入ってくると、介護について詳しい人とそうでない人が対話し、いざこざが生まれる可能性もありますが、、、そこでファシリテーションは需要な役割を果たします。どのような雰囲気で場をつくり、どんな問いを投げかけるか、によって、対立ではなく丁寧な関係構築ができるようになっていきます。




イノベーション・ファシリテーターとはどんな人か?

最上さん)「イノベーション・ファシリテーター」というのは、変革を起こすファシリテーターということです。求められるのは、「みんなが考えたくなる問いをつくる力」。今まで通りではなく、新しい問題の構図をつくっていく。そして「多様な人を招き入れる力」、最後は「行動につなげる力」、アクションしてやり遂げる力ですね。
最上さん)未来が見えにくい時代には、人と人をつなぎ、変化を生み出すことができる人が求められています。まさに今、新しい切り口で価値をつくっていくことのできる、というイノベーション・ファシリテーターが必要とされています。




イノベーション・ファシリテーター講座を受けて得られるもの


最上さん)ファシリテーション講座は、2019年度1月までに、丸一日かけて行う講座を4回行います。この講座を受けることで、問いをつくり、新しい人を招き入れ、その中で対話を設計する、といった基本的なセッションの場をつくれるようになることが目的です。
最上さん)セッションを行う際に対話を深める10個の手法も学び、人前に立って共創していく時に、どんな言葉を使うか、どんな振舞いをするか、も学ぶことができます。
最上さん)2019年度の後半は、2020年度へ向けた計画をつくり、2020年度は、身に付けたファシリテーションの能力を活かして、「藤崎で新しいことが生まれるためのプロジェクト」について一緒に考えていきます。




体験セッション「共創で未来をイメージする」


一通りプロジェクトの説明を終えて、ここからは、ファシリテーターの相内さんが体験セッションを進めていきました。


体験セッションの1つ目は、「未来を考えるとはどういうことか?」を学ぶセッションでした。

相内さん)皆さんの「暮らし」において、10年前想像していなかったけれど、今起きていること、をテーマに5分間話し合ってみてください。ちなみに、10年前には鳩山政権が発足し、オバマ大統領が就任した。家電エコポイント制度がスタートしています。

グループ対話を終えて聞こえてきた声は、

「青森まで新幹線が延伸した」、「こんなにラインが流行るとは思わなかった」、「ユーチューバーが憧れの職業で1位になった」、「電子マネーが普及した」、など。10年前には予測できなかったことが起きていることがわかります。

相内さん)続けて、同じグループで、自分が10年後の2029年にいることを想像し、何が起こっているか?社会の変化、自分の将来について、自由に予測してみてください。

2回目のグループ対話からは、

「自動運転ができて交通が便利になる」、「センサーが体に埋め込まれている」、「藤崎町で米をつくらなくなる」、など、様々な未来の可能性についての意見が聞こえてきました。




良い問いとは?

セッションを進める上で、重要なのがどのような問いを設定するか。「良い問い」とは何が基準となるのでしょうか?

相内さん)問いを立てる上で大事にしていることは、主に次の3つです。

①当事者の本質的な想いをこめたテーマ

②対話を通して、関係者に投げかけたい問題意識

③関係者を広がるための新たな視点

相内さん)例えば、化粧品メーカーが「もっと売れるファンデーションをつくりたい」と考えたとします。「もっと売れるファンデーションとは?」という問いでは、その会社にしか関係ありません。それを「もっとシニアが外に出かけたくなるには?」という問いに変えるとどうでしょう。
相内さん)シニアが外に行くようになれば、必然的に化粧の回数が増えます。ファンデーションも売れるし、移動を考えて自動車メーカーと何かできないか。シニアが外で楽しめるイベントやゲームがあればいいのではないか。医療、介護も含めて様々なステークホルダーや関係者を巻き込んでいくことができます。

このように、問いの形を変えることで、今まで関係のなかった人たちを招き入れていくことができる、ということを感じていただきたいと思います。




体験セッション「2030年の豊かな藤崎町の未来とは?」


次の体験セッションでは、「2030年の豊かな藤崎町の未来とは?」をテーマに問いを立ててみることにチャレンジしました。

 

相内さん)まず、 藤崎町の「未来のありたい姿」を言語化してみましょう。藤崎町が未来にこんな風になったらいいということを、ポストイットに自由に書いてみてください。
相内さん)続けて、現在の「藤崎町の現在を創っている関係者」と「藤崎町のありたい姿の実現へ向けた未来を共に創る関係者(招き入れたい人など)」を書き出してみて下さい。どういう人が関係者になると、ありたい姿が実現されるのかを考えてみてください。




藤崎町のありたい姿の実現に向けた問いをつくってみる


体験セッションの最後に、グループごとに、藤崎町のありたい姿の実現に向けて、関係者を招き入れられる問いをつくってみました。


 

「子どもの小中学校の学力向上をどうすればよいか?」

「藤崎ならではのアルコール飲料をみんなで楽しく飲むには?」

「外部の人をターゲットに。魅力的な藤崎暮らしとは?暮らしたくなる藤崎町とは?」

「雪を克服するにはどうしたらよいか?」

「藤崎町ってどうですか?」

「遊びに旅に行きたくなる藤崎町とは?」

相内さん)今日は駆け足でセッションを体験してもらい、6つの問いが生まれました。この問いから、藤崎町の未来の姿を考えてもらい、ここから新たな動きにつながっていってほしいと思います。



参加者一人ひとりが当事者になって、自分たちが本当につくりたい未来について考える。

そこから新たな問いをつくり、新たな仲間を招き入れながら、豊かな藤崎町をつくっていく。その一歩を踏み出すオープニングセッションとなりました。

これから始まるプロジェクトに、ぜひ皆さんご参加ください!

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『藤崎町 未来志向の地域デザインプロジェクト』の参加申込みはコチラから

お申込みは、2019年10月18日まで

https://www.ourfutures.net/sessions/3341

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文:杉村彩子


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