OUR FUTURES

あなたはが働きたいオフィスはどちらの世界に存在する?

8年がかりで建設され、50億ドルの費用がかかっているといわれる米アップル(社員約12,000人)の新本社「アップル・パーク」が、今年(2017年)の夏に稼働しはじめるようです。トヨタも北米新本社(社員約4,000人)が完成し、年内までに移転が完了するとのこと。

米アップルとトヨタの新オフィスの共通点は、創造性を刺激するオフィスのこれまでのトレンドとなっていた、遊具やゲーム機があるような遊び場的なオフィスよりも、一定の節度を持ち洗練された大人向けのオフィスを意識していることのようです。米国ではこのように革新の邪魔をしないためのオフィスの「形」を重要な経営課題ととらえる流れが強まっているようです。

一方、ブログサービスWordPressの運営会社の米Automattic(社員約550人)はサンフランシスコの本社オフィスを閉鎖し、どこでも好きな場所で働ける完全リモートワークに移行しました。Yahoo、IBM、ヒューレット・パッカードなどの大企業は近年はリモートワークに消極的で禁止しているケースも出てきていますが、同社のミーティングはオンラインで行われ、すべてがチャットルームで完了でき、チームメンバー同士が実際に対面する必要がある際は、世界中どこであろうと会社が旅費を出すとのことです。

個人やチームや部署のたこつぼ化を防ぎ、コラボレーションによる知識創造を促進するための「場」を大事にすることは、どの企業も変わらなさそうです。今後はテクノロジーの進化も相まって、物理的空間とバーチャル空間との差はなくなっていきそうですが、企業経営の哲学や働く側の好みとして、同一オフィス空間で働くことを選択するのか、リモートワークを選択するのかは二極化しているかもしれません。

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文/筧 大日朗(OUR FUTURESディレクター)


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