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自律的・他律的・偶発的、あなたらしい行動のバランスは?

スポーツ選手の生体データを取得して、選手の体調管理やけが予防、パフォーマンスの改善につなげる「スポーツセンシング」デバイスの活用が広がりはじめています。しかし、デバイスから得られる生体データは選手のプライバシーにあたると言う考えも出てきており、個人の能力が数値化されて絶対評価につながり契約交渉などの材料とされることを嫌がる選手も多いそうです。実際、米プロバスケットボールのNBAでは、契約交渉にこのようなデータを使用することが禁止されているそうです。

経産省がまとめている「消費者理解に基づく消費経済市場の活性化」研究会(消費インテリジェンス研究会)の報告によると、2030年の消費行動として、自律的消費、他律的消費、偶発的消費の3タイプが見られるようになるのではないかとまとめています。これをセンシングデータという観点で見ると、データを自らコントロールする自律的行動、データを他者に預けて最適案を提案してもらう他律的行動、データを無視して偶然性を重視する偶発的行動と見ることもできそうです。

センシングデバイスやデータの解析技術はますます進化し、行動をコピーするといったことも容易になるかもしれませんが、健康、消費行動、働き方、能力開発など、データをどのようなテーマで活用したりしなかったりするのか、その対応の仕方、バランスの取り方自体が個性として可視化されるようになっているかもしれません。

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文/筧 大日朗(OUR FUTURESディレクター)


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