OUR FUTURES

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プロジェクト 「 藤崎町 未来志向の地域デザインプロジェクト2019-2021

から投稿されました。

このレポートは、青森県藤崎町で行われている市民主体の協働活動である「ふじさき地域デザインLABO」の3年目の最後の活動となる「振返りセッション」のレポートです。

ふじさき地域デザインLABOとは? → http://www.town.fujisaki.lg.jp/index.cfm/9,11961,70,346,html
これまでは、どんな活動をしてたの? → https://www.ourfutures.net/pages/fujisaki-chiki-design-labo


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2021年度の5月31日に行われた「キックオフセッション」では、「ふじさき地域デザインLABO」は、以下の3つの活動を掲げられました。

  1. 各プロジェクトをつないで全体を推進する活動を行うこと
  2. 次期のプロデューサーとなりうる候補を育成すること
  3. 現在活動している「ナゾツク」と「わんどおらんど」のプロジェクト活動を推進すること


さて、どんなセッションになったのでしょうか。

振返りセッションは、3月5日19:00-21:00(土)に11名で行われ、以下の内容で進められました。

  • 19:00-19:10 イントロダクション
  • 19:10-19:25 ふじさき地域デザインLABO活動振返り
  • 19:25-19:50 2022年度 活動報告と来年度計画共有(わんどおらんど/ナゾツク)
  • 19:50-20:50 アイデア創出対話
  • 20:50-21:00 クロージング


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ふじさき地域デザインLABOの3年間を振返る

振返りセッションは、ファシリテーターの最上さんの進行でスタートしました。


最上さん)本日は、ご参加を頂きありがとうございます。

「ふじさき地域デザインLABO」は、市民が共創することでまちの課題解決を狙う活動として約3年前からスタートしました。

今日は、3年間という一区切りになるため、改めて「ふじさき地域デザインLABOが立ち上がった背景は何か」、また「どんな活動をしてきたのか」、そして「主活動となった2つのプロジェクトの2021年度の活動共有」を行います。

そして、後半は「来年度にやってみたいことを考える対話」を行いたいと思います。

では早速、はじめて行きましょう!


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「ふじさき地域デザインLABO」の振返りについて、藤崎町経営戦略課 佐藤さんよりお話がありました。

佐藤さん)今日は、ご参加を頂きありがとうございます。

「ふじさき地域デザインLABO」を始めた背景についてお話します。(資料1を基に説明)

役場の立場からお話をすると、役場の人が減っていたり、活動できる範囲も限られてきています。今は、地域のことについては「役所へお願いね」といった声が当たり前になってきていますが、地域をこれからより良くするためには、行政だけでなく、市民の方も含めて「楽しみながら地域活動をしていけるプラットフォーム(地域コミュニティ)」が必要ではないか、と考え始めました。

別途、インターネットや書籍などで調べてみると、「一昔前は、"コレ"に向かっていけばいい」といった指針があり、2000年代に入ってからは「何に向かっていいのか」といった状況になってきていることがわかりました。

そういった中で、行政活動も含めて、「単独で活動をすること」ではなく、色々な人が集まって協力しながら話し合えるコミュニティがあれば、これからの地域はより良くなるのではないか、と考えました。

そして、藤崎町でも皆さんへ向けて「やってみませんか〜」とお声がけをして始めたのが、このふじさき地域デザインLABOです。

※資料1


LABOの活動は、目的として「藤崎町に誘客を生み出す」を設定しました。(資料2を基に説明)

藤崎町では、町の中からも「藤崎町って何も無いよね〜」という声が聞こえてきます。実際、観光地らしい観光地は無いのですが。。。

しかし、逆にそういったものが無いからこそ、そこを軸にアイデアを出していくことができるので、そこを強みとして捉えて「新しいことで誘客を生み出したい」と考えました。

※資料2


やるからには、「楽しくないと続かない」「面白くないと広がらない」ということがあると思います。(資料3を基に説明)

プロの力も借りたりしますが、そういった学びから一人ひとりの成長と共に、チーム自体も成長していける大人の部活動のような活動にしていけると良いなと思って、こういったコンセプトを立てていました。

※資料3


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続けて、これまでの歩みについて共有を頂きました。

佐藤さん)これまでの「ふじさき地域デザインLABO」の活動は、大きく3つに分類できると思っています。(資料4を基に説明)

まず、「協働する仲間を増やす」という活動は、LABOの活動に興味を持ってもらったり、LABOの成果を共有したりして、ふじさき地域デザインLABOの活動に興味関心を持ってもらい、仲間を増やすための活動です。この中には、LABOメンバーに参加範囲を閉じないセミナーや講座、広報的に発信する活動なども含まれます。

そして、「まちづくりプロジェクトを支援する」という活動は、想いのあるテーマオーナーを主軸に立ち上がったプロジェクトチームを研究所のように扱い、事業として運営できるように支援する活動です。

最後に、「未来を創る人をつなげる」という活動は、「ふじさき地域デザインLABO」だけでなく、地域には様々なプロジェクトや組織があると思いますが、その中で活動する人たちを集めたセッションや、育成プログラムなどを行う活動です。

※資料4


LABOでは、1年目に、「ラボメンバーの招待」や「キックオフセッション」、「共創ファシリテーションを学ぶ機会の提供」を行い、協働する仲間を増やす活動を中心に行いました。(資料5、6を基に説明)

そして2年目は、「プロジェクトチーム毎の事業計画の立案」や「実証実験の計画」、といったまちづくりプロジェクトを支援する活動と、「セミナーや講習会の実施」などの協働する仲間を増やす活動を行いました。

3年目は、2年目から継続してまちづくりプロジェクトを支援する活動を行いつつ、「ローカルプロジェクト市」にて協働する仲間を増やす活動を行い、「プロデューサー育成」といった未来を創る人をつなげる活動を行いました。

※資料5
※資料6


2019年度は、「共創プロジェクトを起こせる人を増やす」という目的で、みんなで力を合わせた活動を行うために必要なファシリテーションをなどを学びました。(資料7を基に説明)

そして、その中でアイデア出しを行い、3つのプロジェクト(津軽農縁創造協議会、ナゾツク、わんどおらんど)が立ち上がりました。

※資料7


2020年度は、3つのプロジェクトの事業計画をつくり、プロトタイピング(試作検証)を行う活動をしました。(資料8、9を基に説明)

内容としては、「目的を定めたプロジェクト憲章をつくること」や、「事業の説明会」、「共創プロトタイピング」を行いました。

また、観光に関する講習や、写真動画の撮影に関する講習、ブランディングやキャッチコピー作りに関する講習も行いました。

※資料8
※資料9


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これまでの歩みの共有を経て、今後の活動について共有がありました。

佐藤さん)これからどんな展望があるか、というお話をします。

「ふじさき地域デザインLABO」では、地域に共創を導入して、津軽農縁創造協議会・ナゾツク・わんどおらんどという3つのプロジェクトが生まれ、現在はナゾツク・わんどおらんどという2つのプロジェクトが活動を継続しています。

藤崎町では、このプロジェクトの活動以外に「ふじさんぽの会」や「ローカルフォト部」「地域おこし人材」「観光地域づくりDMO」のような団体活動があるのですが、そういったチームがふじさき地域デザインLABOに入るのではなく、それぞれのチームがフラットに話せる場が欲しいということでcocofujiというプラットフォームが生まれました。

これは、ふじさき地域デザインLABOでの共創活動がきっかけで、多様な人の交流と活動が生まれて、自然発生的に出てきた場です。

このプラットフォームは、2ヶ月に1回の開催頻度で、活動状況の共有や一緒にできることがあるのではないか、といったことについて、対話をしています。

「ふじさき地域デザインLABO」で活動が続いている2つのプロジェクトもcocofujiの対話に参加して、様々なコラボができればと思いますし、共創に興味がある人をcocofujiの場に招いていければと思っています。

※資料10


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2つのプロジェクトの2021年度の活動を共有する

では、2021年度の2つのプロジェクト活動について、オーナーから共有を頂きたいと思います。

吉田さん)では、2021年度のわんどおらんどの活動共有を行います。(資料11を基に説明)

今年度の最初は、最上さんから共有のあったTOKIOのプロジェクトに応募するところから始まりました。

そして、6月は「もっと効率良く現地の活動ができるように」という目的で、オペレーション検証を行いました。

7月は、昨年まではドラム缶の釜を使っていましたが、レンガ等でピザがまを作りました。

8月から、オンラインでもできる事業ということで、デザイン入りのリンゴをつくるワークショップを3回に渡って行いました。

10月には、コロナによって寒い時期の開催になってしまいましたが、水鉄砲合戦のイベントを行いました。

また、集客にSNS広告を活用するチャレンジを行いました。

11月は、コロナ禍で初めて積極的な集客をしたイベントで、アップルパイと生搾りりんごジュースを楽しんで頂き、反響が良かったです。

同月には、初期にやってみたかったと考えていた宿泊について、キャンプYouTuberの方が実際にやってくれました。

別途、近隣の「はたけのゆっこ」という業者とのコラボレーションを行いました。

※資料11


これらの活動を通じた課題になります。(資料12を基に説明)

運営コストを下げたコンテンツ提供や、デザインリンゴワークショップのようなハイブリッド型のサービス探索。

赤字にならない価格設定や、更なる周知活動、工数の削減などが課題になっています。

※資料12


2022年度の活動計画になります。(資料13を基に説明)

春には、りんご園での音楽祭体験で、リンゴの花見をやりたいと考えています。

夏には、昨年も実施したデザインリンゴワークショップとじゃぶじゃぶ水鉄砲合戦。

秋には、貸切リンゴ園体験とアップルパイ&生搾りリンゴジュースの提供を行いたいと考えています。

※資料13


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岩谷さん)2021年度のわんどおらんどの活動共有を行います。(資料11を基に説明)

4月に、去年に制作した「フジサキクエスト」という謎解きゲームの販売を開始しました。(4月17日〜11月30日まで)

5月から、フジサキクエスト〜赤い果実と時間旅行〜の制作に着手して、約3ヶ月間毎週MTGを行い、8月28日に販売を開始しました。

また10月には、比内さんからの呼びかけで、イオン藤崎店のどっと市での謎解きイベントに着手し、11月に実施することができました。

このイベントに参加することで、お客さんに直接宣伝して、謎解きに関する反応が得られて、藤崎町に謎解きという遊びが浸透していないという課題を発見することができました。

※資料14


また、今年度の活動からいくつかの課題が見えてきました。

そもそも藤崎町では謎解きゲームで遊ぶということについて、理解ができる土台がないということ。

そして、SNSなどを活用して、もっと周知をしていく必要があること。

また、ナゾツクワークショップなどを通じて、ナゾをつくる機会を増やすこと。

また、アンケートの取り方の工夫や、アンケート回収率を高めること。などが課題として挙がっています。

※資料15


来年度の活動については、5つのアイデアが挙がっており、これからそれらを絞り込んでいく段階です。

※資料16


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自分を活かした未来へのアイデアを考える

ふじさき地域デザインLABOの背景やこれまでの歩み、そして現在も活動を続けている2つのプロジェクトの状況について、共有がありありました。

続いて後半は、自分を活かした未来へのアイデアを考えるセッションとなりました。セッションは、大きく以下の流れで行われました。

  1. キャリアイメージを書き出す
  2. 共通点を発見する
  3. 未来へ向けたアイデアを考える

最上さん)それでは、後半戦は「自分を活かした未来へのアイデアを考えるセッション」をやっていきたいと思います。

このセッションでは、「自分がなってみたいもの」を3つ言語化して、その活動イメージから共通点を見い出し、「どんなことをしてみたいか」を自分で考えたり、「こんなことをやってみたら」という他者からのお節介提案をしたり、するセッションです。

最終的には、「来年度に自分がやってみたいこと」を可視化していけると良いなと思っています。

では、私もテーブルに入りますので、みんなで楽しく対話をしていきましょう!

〜対話を終えて〜

最上さん)皆さん、お疲れ様でした。久しぶりの対話の機会になりましたが、いかがでしたでしょうか。

では最後に、「どんな共通点が発見されたか?:来年度に自分がやってみたいことはどんなことか?」を共有していきましょう。

一人、一言で共有されました。

対馬さん)「自分の言葉で何かを伝えたい」という共通点が発見されたので、「藤崎町やLABOの皆さんのインタビュー記事をつくりたい」と思います。

川田さん)「伝道者」という共通点が発見されたので、「子どもへの謎解きトレーナーや動画をつくりたい」と思います。

吉田さん)「妄想を形にする」という共通点が発見されたので、「PR絵本をつくりたい」と思います。

岩谷さん)「相手を知りたい・人と触れ合いたい」という共通点が発見されたので、「色んな人に質問をしたい」と思います。

翔英さん)「探求者・育成者」という共通点が発見されたので、「子どもと絡めた共催イベントをつくりたい」と思います。

三浦さん)「探求者」という共通点が発見されたので、「新しいことをつくりたい」と思います。

咲ちゃん)「形を整える」という共通点が発見されたので、「モノづくりデザインの探求をしたい」を思います。

最上さん)「なんでもやる人」という共通点が発見されたので、「デザイナーをしたい」と思います。

佐藤さん)「人が喜ぶ形をつくりたい」という共通点が発見されたので、「イベントやアバンギャルドなアートつくりをしたい」と思います。


クロージングのご挨拶

佐藤さん)皆さん、今日はありがとうございました。

最後に対話をしてみて、改めて「みんなでこうやって話すことって良いな」と思いました。

ふじさき地域デザインLABOの活動があったから、いろいろなつながりが生まれて、とても面白いことがドンドン生まれてきていると思っています。

3年という区切りにはなりますが、このつながりを今後も活かしていきたいと思っています。

またこれまでは、活動を形にするために突っ走ってきたと思いますが、少しのペースダウンも含めて、皆んなで心地良いペースを見定めて活動していきたいと思いますので、楽しくワイワイとやっていきましょう!

引き続きよろしくお願い致します。


最上さん)皆さん、土曜の夜にお時間を頂きありがとうございました。

この3年間で、ふじさき地域デザインLABOの立ち上げから事業づくりと試作検証を続けてきたので、感慨深い思いがあります。

私が事務局として活動するのは、ここまでとなりますので、最後に3つだけお話をしたいと思います。

1つ目は、「やりたいこととできることの間」を狙っていきましょう。やらなきゃいけないことにすると活動が重たくてつまらなくなってきます。なので、自分で楽しいと思えるように「やりたいこととできること」を意識しながら活動していけると良いと思います。

2つ目は、「対話」です。人と人なので、しっかり話し合えることが良いと思います。つまらないことやイライラもあると思います。その際に、ミーティングだけの関係ではなく、それ以外で雑談したり、飲みに行ったり、という交流が継続的な人のつながりを生み出すと思っています。ぜひ、プロジェクト活動だけでない関係になって欲しいと思っています。

3つ目は、「不便益」です。不便にも益があるという考え方です。都心部に比べて地方はどうしても不便なことが多いです。ですので、便利という領域で価値を見出すのではなく、「不便だけど、コレって楽しくない?」といった価値を膨らませていけると良いと思っています。


最後に、この3年間、皆さんありがとうございました。

引き続き、藤崎町をより良い街にするために頑張りつつ、私たちも楽しんでいきましょう!!!




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