OUR FUTURES

VRによる教育が広がった世界で、「ひきこもり」の定義はどう変わっている?

米Oculus VRの「Rift」、台湾HTCの「Vive」、そしてソニーの「PlayStation VR」といった個人向けバーチャルリアリティ(VR)・デバイスが相次いで発売され、2016年はVR元年とも言われています。コンピュータによって作り出された世界を現実のように知覚させるVR技術は、これまでもテーマパークなどで応用されてきました。しかしデバイス価格も大幅に下がってきたため、米金融大手ゴールドマン・サックスは世界のVR市場の規模は急成長し、2025年までに600億ドル(約6兆3000億円)にまで成長する可能性が高いと予測しています。

VRの用途は主にゲームなど消費者向けに現在は集中していますが、中国では企業が業績向上のためVRを活用して利益の拡大に結びつけてきており、さまざまな領域でVR活用サービスが誕生し、広がりそうです。二眼HMD(ヘッドマウントディスプレイ)でVRを子供が見ることによる斜視リスクが存在するなど、健康面や社会面では解決すべきところはありますが、教育でもますます活用されていきそうです。多様な環境を家に居ながらにして体験できるVRコンテンツによって知識共有や体験学習の効率は飛躍的に向上し、現地に行くよりも家にいる方が圧倒的に素早く学習・成長できるという時代になり、「ひきこもり」という言葉の定義が変わっているかもしれません。

発想元:日本経済新聞(The Economist)「新しもの好き中国人、不動産の下見も仮想技術で」2016年10月29日
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO95867920X00C16A1X12000/

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https://goo.gl/OMyJiw

文/筧 大日朗(OUR FUTURESディレクター)


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