OUR FUTURES

2013年のフューチャーセッション・ウィークが、2013年5月31日〜2013年6月8日に開催されます。50前後のフューチャーセッションが、この9日間に全国で開催されます。  

フューチャーセンターとは:
フューチャーセンターとは、創造的な対話空間があり、そこにファシリテーターが常駐し、多様なステークホルダーとの対話と協業を通して、複雑な問題解決や価値創造に挑戦するための場です。北欧の知的資本経営から生まれ、その後欧州内の公的機関に広がりました。日本では、人口減少・市場縮小の閉塞感を乗り越えるための、企業や大学、行政のオープン・イノベーションの場として、また未来に向けた市民参加の街づくりの場として、期待が集まっています。

フューチャーセッション:
フューチャーセッションとは、未来思考で問いを立て、多様なステークホルダーを招き、ファシリテーターが介して創造的な対話と協業を行う、3時間くらいから数日にわたるワークショップを指します。フューチャーセッションと、他のワークショップとの違いは、次の通りです。
1. 既存の関係者だけではなく未来のステークホルダーを招くこと
2. 客観的に議論するのではなく自分事で対話すること
3. 内発的動機付けに基づく行動を喚起すること

 

フューチャーセッションをデザインするためのスタートアップガイド

  1. フューチャーセッションの登録サイト、OUR FUTURES にアクセスします。
  2. アカウントを作成してログインし、右上にある「セッションを作る」ボタンをクリックします。
  3. 自分の企画したいフューチャーセッションを登録します。
  4. フューチャーセッション企画を考えながら、入力していきます。セッションの魅了的なテーマは?セッションの目的は? 日時と場所をどうするか、何人くらい集めて、参加費をとるかどうかなど、セッションの概要を決めていきます。
  5. 続いて、フューチャーセッションの詳細設計を行ないます。参加者全員がお互いの状況を確認するチェックインに始まり、参加者がお互いを理解し合うための対話をしっかりと行ないます。参加者同士が対話をせずに、たんたんとプレゼンを続けても、内発的な動機づけを喚起することは難しいです。
  6. 集まった参加者の思考の枠を取り去り、新たな視点を与えるために、社会起業家や専門家などのゲストに、スピーチをしてもらうことは、たいへん有効です。できれば、用意されたプレゼンテーションを話してもらうのではなく、参加者同士の対話から生まれた「問い」に対して、即興で掛け合いをしてもらいましょう。その場でしか生まれない化学反応を期待して。
  7. 新たな視点を得たら、その共通基盤の上で、ワールドカフェなどの小グループでの対話を参加者全員で続けます。相手が次々に変わる対話の中で、参加者一人ひとりが気づきを得ていきます。
  8. 対話で終わらせないところが、フューチャーセッションのもっとも大事なところです。アウトプットを出しましょう。但し、アウトプットは「解決策」とは限りません。そこから生まれた「新たな問い」かもしれませんし、「試しにやってみる次の一歩」かもしれません。いずれにしても、参加しなかった人に対して伝達していくための、明確なアウトプットを出していきましょう。
  9. 最後のチェックアウトは、個人の気づきを確認し合う、大切な時間です。一人ひとりの感じたことを短い言葉で、共有してもらいましょう。
  10. セッションが終了したら、OUR FUTURES上で対話のプロセスレポートを写真とメモを使って作成し、簡潔にフィードバックしましょう。この日のアウトプットは何で、次のステップはどのような形で進んでいくのか、できるだけ分かりやすく表現しましょう。

 

フューチャーセッションを続けていくためのガイド

1回のフューチャーセッションで問題解決が完結することなど、ありません。まずはセクターを超えて、専門家、行政、企業、市民などが一堂に集まり、「課題共有」をするだけでも価値があると思います。次のステップでは、「未来シナリオ」などを作って、不確実な未来に対する共通認識を作るといいと思います。さらに、「ステークホルダー・マッピング」などを行なうことで、コンセプト作りと、そのコンセプトを実現するための新たなパートナーを考えましょう。そして、生まれてきたいくつかの「問い」に対して、それぞれ「プロトタイピング(ためしに作ってみる)」のセッションを開催していきましょう。正しいプロセスでセッションを継続していくことで、実現可能なアイデアに対して、参加者の内発的動機付けで協業が生まれてくるのです。

 

フューチャーセッションに必要な準備

企画者自らがファシリテーターを行うか、あるいはファシリテーションの専門家を企画チームに入れて、セッションの設計を行います。スペースは、できるだけ非日常の場所を選びましょう。テーマに合わせて演出をすることもぜひ考えましょう。

対話の内容を可視化することがきわめて重要ですから、ホワイトボード、模造紙、ポストイット、マーカーペンなどはしっかりと用意しましょう。壁があるか、テーブルがあるか、どのようにアウトプットを作っていくかを想像し、会場設営などもプランしておきましょう。  

参考文献:フューチャーセンターをつくろう

フューチャーセッション・ガイドブック


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